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1992年度(平成4年度) | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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Academic year: 2018

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(1)

3.竹材の高度利用技術開発研究

<竹材のジョイント接合による構造材開発研究(2)>

舌曳 博也、中原 恵、阿部 優

小谷 公人、兵頭 敬一郎

304)を用いた。 1’ .目 的

竹材素材を、様々な分野で利用していくた

めに必要な技術開発研究を行う本事業では、

昨年度から、竹材を素材形状のまま建築構造

部材や家具材として活用していくことを目的

に、竹材と竹材を接合するためのジョイント

部材の開発に取り組んでいる。

初年度は、竹材強度の把撞をはじめ直線方

向に接合するためのジョイント部材(金具)

の開発を行った。

竹材は断面形状が正円でなくしかも同一形

状の素材が揃わないために、竹材とジョイン

ト部材との固定方法が課題となったが、樹脂

による固定や硬質ゴムをくさび状にして用い

た固定方法ほ効果的であった。

本年度は、竹材を多方向に接合するための

ジョイント方法について取組んだので以下報

告する。

(肝間部) (師部)

要撃

静荷重による縦圧縮蘭凝

図1.丸竹材の強度試験

2.2丸竹材の強度試験

竹材の強度を把握するために、静荷重によ

る縦圧縮試験(図1)を行った。

2.3多方向ジョイント部材く金具)の開発

多方向におけるジョイント部材の可能性を

探るために、アイデア・スケッチをいくつか

提示し、検討をかさね、開発を行った。

3.結 果

3.1丸竹材の静的縦圧縮性能

丸竹材の静的縦圧縮試験の結果を表1に示

す。

表1.静的縦圧縮試験の結果 2.方 法

圧縮試験による竹材強度の把捉と、竹材を

素材形状のままで多方向に接合するためのジ

ョイント部材を開発し、立体物の組立てを行

った。

2.1供託材料

供試材として、直径4∼5cm

のマダケ油

抜き乾燥材(丸竹)を用いた。

また、ジョイント部材用の金具には、強度

性と耐久性を考慮して、ステンレス鋼(SUS−

材 料 項 目 サンプル数 損圧縮強さ

(欄) (Kgf /cr げ)

丸竹材 52 685.5

(締間部)

丸竹材 56 678.2

(師部)

*ヒノキ 平 均 400.0

*ス ギ 平 均 350.0

*は木材工業ハンドブック(丸尊)より抜粋

(2)

表2.ジョイント部材の形状と概要

・竹材の外周部;に取付ける金具 竹 ̄材挿入金=堅蔓

・エポキシ系樹月旨によるⅠ垂】定

・竹*オ押入金具と六芦Ⅰ柱金具とをi 堕落吾 L 型 金 具

・力さルトで【藍】貢E

・王政多 ̄ご6方向における接合カく可能

六 角 ネ主 金 具

・カぎルト ̄で【垂Ⅰ定

類の金具の組み合わせによる方法について開

発を試みた。(写真1)

それぞれのジョイント部材の形状と概要に

ついては、表2に示す。

竹材挿入金具については、竹材の外周部に

取付けて固定する方法を採用した。竹材の小

口面をジョイント金具で隠すことにより、乾

燥による割れなど生じにくくするように配慮

したためである。なお、竹材と金具の固定に

は、両小口面が一直線上になるように竹材挿

入金具固定設置台(写真2)を使用し、透明

エポキシ樹脂CEP−8(国際ケミカル㈱製)

を用いて行った。

L型金具については、竹材挿入金具と六角

柱金具とを連結する働きがあり、両端をそれ

ぞれの形態にあわせて半円形とした。

六角柱金具については、最多で6方向にお

ける接合が可能となるように考慮した。

L型金具と竹材挿入金具およびに六角柱金

具とL型金臭における固定には、ボルトを用

いた。取り外しが容易となるように配慮した 丸竹材の長さ方向における圧縮強さについ

ては、節間部および節部ともに差異はなく、

ヒノキ材やスギ材よりも高い値を示した。こ

の試験結果と、昨年度行った丸竹材の曲げ試

験の結果(ヒノキ材やスギ材とはぼ同程度の

値を示した)より、竹材を素材形状のまま建

築構造部材や家具材として使用する場合、強

度的に十分に適用できるものと考えられる。

3.2多方向ジョイント部材(金具)の開発

多方向における丸竹材の接合方法として、

竹材挿入金具、L型金具、六角柱金具の3種

写真1.丸竹材の多方向における接合

(3)

点において効果的な接合が可能となった。

4.考 察

竹材を素材形状のまま建築構造部材や家具

材として使用していくことを目的に、昨年度

の直線方向に続き、本年度は多方向における

ジョイント部材の開発に取り組んだ。

今軌ま、3種類のジョイント金具(竹材挿

入金具、L型金具、六角柱金具)の組み合わ

せによる接合方法を開発した。

多方向における接合だけでなく立体的な接

合も可能で、特に任意の角度を設定して固定

できる点は、立体物の組み立て時における、

綿密な角度計算等を行う必要もなく効果的な

接合が可能となった。

今後は、竹材を立体的に接合した場合の強

度試験を実施し、構造的に適合しうるものか

を検討するとともに、ジョイント金具につい

て、軽量化と簡易性を重視してさらに改良を

図る事が必要である。また、竹材素材の耐久

性の向上についても研究を進めていくことも

必要である。 写真2.竹材挿入金具固定設置台

ためである。さらに、六角柱金具とL型金具

において、任意の角度に設定して固定するこ

とにより、立体的な接合も可能となるように

配慮した。

竹材の立体的な接合を試みるために、今回

開発した3種類の金具を用いて、三角錐の立

体物の組み立てを行った。(写真3)。

写真3.ジョイント金具を使用した立休物

ジョイント金具の重量によって、組み立て

作業に多少取難は生じたものの、立体物の組

み立て時における、綿密な角度計算等を行う

必要もなく、任意に角度設定ができたという

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